嘘とワンダーランド

「お姉ちゃんがいなくなったって、どう言うことなんですか…?」

詐欺がどうこうなんて、頭から吹っ飛んでしまった。

「いないんですか?」

男が驚いたと言うように聞き返した。

「いないも何も…えっと、どう言うことなんですか?」

そう聞こうとした時、課長がトイレから帰ってくる姿が見えた。

「あの、すみません。

詳しい話を聞きたいので、明日にでも直接会って話をしませんか?」

わたしは言った。

「そうですね、お互いのためにも直接会った方がいいと思いますね。

明日の…えっと、そちらのお昼は何時くらいですか?」

「12時です。

あっ、K町の2丁目にあるファミリーマートの前で待っててくれませんか?

会社から近いので、できれば…」

そう言ったわたしに、
「はい、わかりました」

男が返事をした。