「そうだったんですか…」

そう返事をしたわたしに、
「これからはもう隠さなくて結構だ。

今度はいろいろな人たちを招待して、彼らから祝福を受けたい。

若菜は反対か?」

そう聞いてきた眼鏡越しの瞳に答えるように、わたしは首を横に振った。

「喜んで」

笑って返事をしたわたしに、
「はーっ、愛し愛されていますこと」

京やんが大げさに言った。

「何とでも言え。

お前もお前で自分の相手を探したらどうなんだ?

もういい年齢なんだろ?」

そう言い返した課長に、
「言われなくてもそうしますよ。

今、式場関係者たちにLINEを送っときますから」

京やんはスマートフォンを取り出すと、操作を始めた。