「先月お前がデザインした下着なんだけどな、取引先の社長がお前のデザインを使いたいって言ってきたんだ」

そう説明をした課長に、そう言えばそんなことがあったなとわたしは思った。

確か、“オトナ女子が絶対に着たい勝負下着”と言うコンセプトで下着のデザインを描いたことを思い出した。

わたしが描いたデザインは、やはり採用されなかったのね。

できることならもう1度専門学校時代に戻ってデザインの勉強を1からやりたい…。

「ほ、ホントですか?」

そう聞き返した京やんの声は戸惑っていた。

「何だよ、嬉しくないのかよ」

課長が不思議そうに首を傾げた。

嬉しくないも何も、この状況である。

何事かと思って課長に呼び出されたかと思ったら、デザインの採用と言う訳である。

京やんが戸惑うのも当然だ。