嘘とワンダーランド

「行かせる訳ねーだろうが。

お前はもう俺の妻なんだから、何があったって離さねーよ」

言い終わったと言うように、課長の指が離れた。

「――ッ…」

自分の頬が熱くなって行くのを感じた。

「何だよ、ラブラブしてるところを見せつけやがって…。

俺への当てつけか」

視線を向けると、ふてくされた顔をした京やんがいた。

「略奪防止だ」

眼鏡越しの瞳がニヤリと笑った。

「とっとと帰れ…。

ったく、躰に悪いったらありゃしない…」

弱々しくそう呟いた後、京やんはテーブルのうえに突っ伏した。

もうこれ以上は見たくないと言うことらしい。

「言われなくても」

課長はそう言い返した後、わたしと手を繋いだ。