嘘とワンダーランド

「京極は?

あいつ、ちゃんとやってたか?」

課長が聞いてきた。

「ええ、ちゃんとやっていましたよ。

途中で寝ちゃいましたけど」

わたしはテーブルのうえに突っ伏している京やんに視線を向けた。

「こいつ、下戸か?」

課長はやれやれと言うように息を吐いた後、京やんに歩み寄った。

下戸と言う訳ではないけれど、京やんはワインなどの洋酒は眠くなるからと苦手だと言う理由で好んで飲まないのだ。

「おい、京極」

課長は京やんの肩を揺すった。

「――んーっ…もう閉店?」

京やんは何事かと言うようにテーブルから顔をあげた。

「んな訳ねーだろ。

ほら、とっとと出るぞ」

課長が呆れたと言うように京やんに言った。