嘘とワンダーランド

「ものすごいヤツだな…」

京やんは呟くと、ラタトゥユを口に入れた。

「こんなんだったら、わざわざくる必要なんてなかったんじゃないのか?」

呆れたと言うように言った京やんに、
「でも、よかったと思う」

わたしは答えた後、課長と千沙さんに視線を向けた。

「課長と千沙さん、笑ってるもん」

ワインとフレンチを片手に笑いあっている課長と千沙さんに、わたしはフフッと笑って生ハムのサラダを口に入れた。

向きあって、無事に和解ができたみたいだ。

そのことによかったと胸をなで下ろしていたら、
「そう言えば思ったんだけど…」

京やんが思い出したと言うように言った。

これから何を言うのかしら?

生ハムのサラダを飲み込むと、ワインをテーブルのうえに置いた。