嘘とワンダーランド

何だ、ジョーダンだったのか…。

少しだけ本気にしてしまったけれど、それがジョーダンであったことにホッと胸をなで下ろした。

それにしても、千沙さんって意外にもジョーダンを言うんだな。

サバサバしたその姿から全く想像ができなかった。

「だけど、千沙は俺のことを恨んでるんじゃ…」

呟くようにそう言った課長に、
「恨んでなんかないよ。

私は正文が元気に結婚生活を送れていれば、それでいいんだから」

千沙さんは笑いながら言った。

「千沙…」

「それに私はまだ若いんだよ?

私もそのうちいい人にめぐり会うわ」

そう言った千沙さんに、
「若いって…お前、早生まれなだけで俺と同い年だろうが」

課長がツッコミを入れた。

「聞こえない」

千沙さんは課長のツッコミを受け流すと、ワインを口に含んだ。