嘘とワンダーランド

課長と目があった。

急に目があって戸惑っているわたしに、課長は眼鏡越しから微笑みかけてきた。

…千沙さんに気づかれたらどうするのよ。

心の中でツッコミを入れたわたしだけど、嬉しいと言う気持ちの方が勝っていた。

「幸せそうでよかったわ」

そう言った千沙さんに気づかれていないみたいで、わたしはホッと胸をなで下ろした。

「ラブラブでよござんすね」

横から小さな声で京やんがツッコミを入れてきた。

課長に指名された彼はこの状況をおもしろくないと、心の底から思っているみたいだ。

「実は…今日お前を呼び出したのは、ちゃんと謝りたかったからなんだ」

課長が話を切り出した。

この話しあいがうまく行くことを、わたしは心の底から願った。