嘘とワンダーランド

「な、何をするんですか…?

京極さんが戻ってきますよ」

そう言ったわたしに、
「構わない。

むしろ、あいつに若菜を奪われる心配がなくなる」

眼鏡越しから課長に見つめられた。

「奪われるって、京や…京極さんはわたしの友人です。

そんなことある訳ないじゃないですか」

と言うか、何を根拠に京やんに奪われるなんて言っているの?

京やんがわたしを奪う訳なんてないのに。

「無自覚にも程があるんだよ、お前は。

友達だから安全だとか、そんな保証はどこにもねーだろうが」

「――ッ…」

課長の顔が近づいてきた。

安全とか保証とか、課長は一体何を言っているの?

逃げられない代わりに、課長から顔をそらした。