嘘とワンダーランド

「何ですか?」

そう聞いたわたしに、
「お前、最近俺のことを避けてただろ?」

課長が言った。

バレてる…。

気づかれない程度に課長のことを避けていたけれど、本人にはわかっていたみたいだ。

「それは、課長の思い違いじゃないんですか?」

そう答えたわたしに、
「会社はともかくとして、家はないんじゃないか?」

課長が言い返した。

わたしの行動には一切口を出さないんじゃなかったの?

なのに、口を出しているなんてルール違反にも程があるじゃないのよ。

「忙しいから、仕方がないじゃないですか」

「そんなんで俺が通用すると思ってるんじゃねーぞ」

課長がそう言ったのと同時に、
「――ッ、わっ…!?」

壁に躰を押しつけられた。

逃げられないと言うように、両サイドに課長の腕が置かれた。