嘘とワンダーランド

「――んっ…」

ピクリと、課長の眉が動いた。

わっ、マズい!

パッと、髪にさわっていた手を離した。

「――ん~っ…」

課長は寝返りを打った。

…何だ、寝返りか。

驚く必要なんてなかったじゃない。

あー、心臓に悪い…。

それよりも、変な汗まで出てきちゃったんですけど…。

「バカバカしい…」

どっと疲れが一気に出てきた。

残業もやったし、早くお風呂に入って寝よう。

彼が用意してくれた夕飯を食べようと課長から離れようとした時、
「――仕方がないことだったんだよ…」

「えっ?」

彼が言った言葉の意味がわからなくて、聞き返した。

課長は目を閉じている。

今のは寝言?

どんな夢を見ているんだろう?