嘘とワンダーランド

「ただいまー」

自宅に帰ると、リビングの電気がついていることに気づいた。

腕時計で時間の確認をすると、もう少しで11時になるところだった。

課長、まだ起きているのかな?

そう思いながらリビングに顔を出すと、
「マメな人だわ」

テーブルのうえに用意されていた夕食に、わたしは呟いた。

ソファーの方に視線を向けると、課長がそのうえで眠っていた。

「先に寝室の方で寝てればいいのに…」

課長の寝顔に向かって呟いた後、わたしは彼の顔にかかっている眼鏡を外すとガラステーブルのうえに置いた。

前に課長に、どうしてコンタクトレンズに変えないんだと聞いたことがあった。

わたしは子供の頃から視力がよかったため、眼鏡やコンタクトレンズと言ったものに縁がなかった。

違うものだけど、どちらも手入れが大変だろうなと言う印象を抱いている。

そしたら、
「アレルギーとドライアイの症状があるから」
と、課長は答えた。