嘘とワンダーランド

時間は夜の10時を過ぎようとしていた。

「あー、やっと終わった…」

京やんはうーんと背筋を伸ばした。

「京やん、お疲れ」

わたしは声をかけると、パソコンの電源を切った。

「悪いな、手伝わせて」

そう言った京やんに、
「別にいいわよ。

昨日のお礼だから」

わたしは帰る支度をしながら言い返した。

オフィスに残っているのは、わたしと京やんの2人だけだった。

課長は…待ってる訳ないよね。

昼休みのこともあるし、自分の仕事が終わるとさっさと帰っちゃったし。

「よし、俺らも帰るか。

駅まで送るよ」

京やんがカバンを持ったので、
「ありがとう、京やん」

わたしはカバンを手に持つと、椅子から腰をあげた。