「中村さん、足の速さは?」
小声で遠山さんが私に聞く。
う、足の速さか。
確かに鬼ごっこでは足の速さが大事だもんね。
私は少し恥ずかしいけど、
「クラスの女子の中で最下位だよ」
と答えた。
この方がきっと分かりやすいと思うし。
「…そう。なら私の後ろにいてね」
「え、遠山さんは?」
と私は聞いた。
遠山さんももしかしたら足が遅いのかもしれないし、ほんの少しの差で遠山さんが前に行くってのは理屈に合わないから。
「一応、クラスで2位かな。中学に全国に出たこともあるわ」
「え、えぇ…むむむ」
私は大きく叫びそうだったが、遠山さんが私の口を抑えた。
