「ねぇ、知ってる?
裏山の近くにある廃校舎のこと」



親友の赤木菜摘(アカキ ナツミ)が言った。



「何それ?」



読みかけていた本を閉じて、菜摘の方を見た。



「7人で午後21時から鬼ごっこをするの。そしたらね、幽霊のアイちゃんが混じるの。それで、アイちゃんに捕まったら死んじゃ……」



「きゃあぁぁぁぁ!!」



菜摘の言葉を遮り、私は大声で叫び耳を塞いだ。



「ちょ、由紀(ユキ)叫びすぎ」



「わ、私が怖い話苦手なの…知ってるでしょ?
お、脅かさないでよ…っ」



私は涙目になりながら言う。



そう、私は怖い話が大の苦手。



反対に、菜摘は怖い話が大好き。



だから、こうして怖い話を聞かされると叫んでしまうのだ。