春の日差しが心地よい、そんな中をもう三年目になるこの制服を着て歩いていく。入学式は昨日のうちに執り行われていたので、新入生が少し緊張しながら私の周りで歩いている。
「おっはよ。なんか今日は明花理ニコニコしてるね。」
「おはよ、夏陽。だってさもう私たち中3だよ。なんか信じられないのと楽しみなのでウキウキしてるんだもん。」
「でもウキウキなんてしてられないでしょ。私たち今年受験生なんだから。だけど程々に楽しまないとね。」
「もっちろん!」
小学生の頃から仲が良かった夏陽とはこれまでずっと同じクラスになってる。今年はどうなることかと二人してソワソワしながら学校の校門をくぐった。
「ねえもう玄関行ったらクラス表配ってるよ。やっぱりドキドキするね。」
「まあどうなっても今年は最後なんだか楽しもうね。」
そんな約束を夏陽として玄関の先生のもとに紙を受け取りに行った。
「満島夏陽、満島夏陽、、、あった私2組だ。明花理は?」
「あたしは3組、初めて離れちゃったね。」
「嘘、そんなの絶対に嫌だ。私は明花理と同じクラスがいいよー。」
もう半泣き状態の夏陽が私にしがみついてくる。そこまでのショックは受けていなかったけど、ここまでされるとこっちまで悲しくなってくるから不思議だ。
「夏陽、クラス離れたって隣だし平気だよ。それにいい機会じゃない?お互い友達の幅広げる。だからさそんなに悲しまないでよ、ね?」
「明花理は大人だからそうゆう考え方が出来るけど、私は友達づきあい苦手だから無理だよー。もうお先真っ暗。どうしよう。」
「私だって嫌だけどマイナスに考えたってどうしようもないんだから、前向きに考えよう。どうにかなるって、夏陽は明るくて面白いんだから。」
「じゃあお互い新しい友達が出来てもずっと友達だからね?親友だからね?」
夏陽が捨てられそうな子犬の様な目でこちらを見つめながら言ってきた。こうゆう所が可愛い。
「もちろん。夏陽の方こそ私のことほったらかさないでね。」
「うん。」
この時は思いもしなかった。
夏陽を悲しませることになるなんて。
新しい友達なんてつくる暇もなかったなんて。
大好きなお姉ちゃんがあんなことになるなんて。