放課後。



「広瀬くん!今日は別々だよね?」


バスケ部も忙しいなー。

なんて思っていたら


「は?なんで?」

広瀬くんは不思議そうにこっちを見ている。


…え?

「だって今日は」
「原野!」

私が言いかけたのと同時に、松田くんがこっちへ走って来た。


「え、松田くん?なん」
「こっち来て、お願い」



「原野?」

私も広瀬くんも、お互い状況が飲み込めない。


「ごめん、広瀬。ちょっと原野と用あるから、じゃあな」


「おい、松田!?ちょっと待てって!」

私は強引に腕を引っ張られ、教室へ連れていかれた。

どうしたらいいかわからない。

正直、ここで振り払うと、後が面倒だと思った。

ごめん、広瀬くん…




「話って何?」

なんとなく、わかっていたけれど。


「あのな、原野」

どきっ

ど、どうしよう…



「あの、私」
「付き合って」


「いや、その、私は広瀬くんが好きで…」


「わかってる。でも、好きなんだ。」

わかってるのなら、引いてよ…



松田くんの顔が私に近づく。


だ、だめだ、どうしよう


こんな状況なのに、動けない…



「ごめんなさい、ホントに…。」


広瀬くん…


広瀬くん…!!!