「待って広瀬くん」




高1の夏。


部活が終わって帰ろうとしていた俺、広瀬涼太(ひろせりょうた)に声をかけてきたのは


俺と同じく、部活終わりの


「…原野?」



原野真白(はらのましろ)。

同じクラスで、俺の片思いの相手。



テニスラケットを片手に、こっちに向かって歩いてきた。