学校が終わってからも、俺の機嫌は悪かった。


「やっぱ…行くんじゃなかった。」



「ん?勉強会?」


目の前では参考書を広げながら勉強する高槻。


「あ、いや…何でもない。」


彼女の前ではいつも笑っておく。心配かけたくねぇし。


「なぁ、ここ分かんな…「無理して笑わなくていいよ。」


は?無理して?


「俺、ちゃんと笑ってるけるけど。」


「ううん、辛そうな顔してる。」


辛そうな、って・・・


「私の前では無理して笑わなくていい。安曇君が今思ってること、私にぶち当てていいから。


だから、今は素直でいていいよ。」


そうやって笑ってくれる高槻。


何でこいつは、俺の心ん中にドスドス踏み込んで来んだよ。


何で俺が辛い時に、突然現れんだよ。


「訳、分かんねぇ・・・」


気づけば俺の目には、涙が溢れていた。