「ってのが、あいつの過去のこと。」


「そうだったんだ。」


話を聞いてた時の高槻さんは、耳を傾けてくれてて、すごく嬉しかった。


「だから、あんなこと言ったんだ。それなのに、私としたことがー……」


ヤベ!またネガティブになってる。


「仕方ないよ高槻さんは何も知らなかったんだから。何も悪くないよ。」


「でも〜〜〜」


うわ〜こんな高槻さん初めて見た。


クールビューティーな高槻さんがこんなヘコんでるなんて…。


「でも、スッキリした。」

「え?」


「私、やっぱ安曇君を救いたい。私が安曇君を変えてみせる!」


「どうしたの?いきなり。」


「昔お母さんに言われたこと思い出したの。『その人を守りたいと思った時、恋が始まる』って。私気付いてなかっただけで本当はずっと前から、安曇君が好きだったのかもしれない。」


「そっか!俺も応援する。賢人を振り向かせよう!」


俺の心が一気にパァッと明るくなった気がする。


「ありがとう、暁君。」


その嘘のない笑顔に俺の胸が大きく音を立てたのは、多分気のせい。