「賢人、お前もいよいよ明日で卒業だな。」 「あぁ。」 次に言った父さんの言葉に、俺は目を丸くした。 「卒業後も、ここに残りなさい。」 「は?」 今、何て? 「私のお母さんも、認知症が悪化しているのは、知っているだろう。お前にも、ここで母さんたちと一緒に暮らしてほしいんだ。」 確かに婆ちゃんの認知症が悪化しているのは知ってる。 けど、俺はそれには答えられない。 「悪い、父さん。俺、やらなきゃいけないことがあるんだ。」 そういうと、父さんは眉間に皺を寄せた。