「賢人ー!シュート!」

賢人君が投げたバスケットボールは綺麗にゴールネットに入った。


「ナイスシュートォ、賢人!」


「見たか!俺の華麗なるフォームを!」


「あははっー!見てなかったぁ。(笑)」


「はぁ!?見とけよ!!」


凄い、賢人君って運動神経良いんだよね。


でも気になるのは・・・


「きゃぁぁぁ!賢人君、かっこいぃぃぃ!」


「ナイスシュート!賢人くぅぅぅん!」


男子のバスケを観覧してる女子達。


まぁ、賢人君モテるもんね。


優しいし、背高いし、運動神経あるし、笑顔は素敵だし、かっこいいし。


「あらぁ。あんたの彼氏さん、モテモテだよ。良いの?」


「え!?何が!?」


そう聞くと、恵奈の顔はポカーンとしていた。


「取られちゃっても良いのかってこと!」


と、取る!?


でも、そんな事は気にしてない。


だって・・・


「取られるなんてことがあっても、賢人君を渡す気なんてさらさらないから、大丈夫だよ。」


だから、誰かが賢人君をとろうとしたって、絶対に渡さない。


折角両想いになれたのに、離れるなんて嫌だし。


「おぉ!強気ですね、彼女さん!」


「もぉ!からかわないで!」


するとそこで大きなホイッスル音が聞こえた。


「次、2班と4班。試合を行います!」


あ、次の試合わたしのチームだ!


立ち上がろうとした途端、恵奈が私の腕をガシッと掴んだ。


「今宵、気を付けて!4班の女子達、安曇君のファンだから。今宵と安曇君が付き合ってるって聞いて今宵のこと、逆恨みしてるみたいなの。」


えぇ!?そうなの!?


通りで私に向けられてる目つきが鋭いと思った。


「女子達からは少し離れてた方が良いよ。」


「分かった、気をつける!」


そして私はコートの中央部分に立った。



対戦相手の女子達は、お互いの目の前にいる相手ではなく、私の方を見てくる。


しかもかなり鋭い視線で。