「じゃぁ、また明日な。」


そう言って家に帰ろうとした時・・・


今宵が袖をクイと引っ張り、俯いていた。


「今宵?どうした?」


「・・ない。」


え?何て言った?


「え・・・?」


「まだ・・・離れたくない。」


それを聞いた瞬間、俺は目を見開いた。


落ち着け、落ち着け。


俺は必死に理性を保つ。


「今宵、家すぐそこだよ。」


「もうちょっと賢人君と、一緒にいたい。」


それを聞いて、一気に顔が赤くなる。


あぁ。


もうダメ、限界。


「・・・やめて。」


今宵は目を丸くして、俺を見ている。


「折角理性保ってんのに、そういう可愛いこと言うのやめて。」


「え?きゃ!!」


俺は小さな歩幅の狭い細道に、今宵の手をとって、入った。


もう知らない。


俺の理性壊した、今宵が悪い。