「・・・え?」
「今宵がナンパされたときも、すげぇむかついたし、周りの男は今宵をジロジロ見てくるし、腹立って仕方なかった。」
今宵は、全然悪くないのに。
「ほんと、ガキみたいだよな。」
そう笑うと、今宵は俺の頬に、手をあててきた。
「今宵?」
「嬉しいよ。」
俯いてた今宵が、ゆっくりと顔を上げた。
「嫌われたのかと思って怖かったけど、そんな風に思ってくれたってことは大事にされてるって感じるから、嬉しい。」
そう言うと、今宵は水槽の方を見て、また話しかけてきた。
「あ、ジンベイザメいるよ!大きぃ!」
ほんと、こいつは・・・。
俺をどこまで惚れさせる気だよ。
俺は夢中で魚を見てる今宵に後ろから優しく、ギュッと抱きついた。
「え!?け、賢人君!?」
「今宵。」
そう言うと今宵は「何?」と言って、問いかけてきた。
そして俺は優しく甘い声で、今宵の耳元で囁いた。
