【恵奈side】




休み時間にジュースを買おうと教室を出ようとすると、今宵に呼ばれて、足を止めた。


「え、恵奈!お願いがあるの!」


「どうしたの?今宵?」


モジモジと目を泳がせている今宵の顔は、何だか可愛く思えた。


まぁ、元々可愛いんだけどね。


「賢人君と、デートするから・・・そのぉ、可愛い服を買いたいから、一緒に選ぶの手伝って欲しいなと思って。」


なぬ!?デート!?


安曇君と!?しかも、いつから名前で呼んでんの!?


これは、聞きたいことが山済みですな。


そう考えただけで、楽しみでワクワクする。


「いいよ。この恵奈様が今宵をプロデュースしてあげる!」


そう言うと、今宵はパーーッと笑顔になった。


あぁ、もう可愛いんだから!この子は!!


「じゃぁ早速今日の放課後、駅前のショッピングモールで可愛い服買いに行こう!」


「うん!!」


楽しそうに笑う今宵は、見ててすごく可愛いと思った。


「あぁ、もうほんと可愛いんだから。」


そう小さく呟いた。


「ん?何か言った?」


「ううん。何でもない。」


とにかく今日の放課後は、今宵を可愛くプロデュースしなきゃ。


楽しみだなぁ。早く放課後来ないかなぁ。


「どうしたの?恵奈。ニヤニヤして。」


「ないしょー!」


「えー、教えてよー。」


そう言って今宵は、頬を吹くらませた。


私は放課後を楽しみにして、ジュースを買いに、今度こそ教室を出た。