あぁ、もうほんとヤバイ。


「どうした賢人、ボーッとして。」


俺の向かいの席に座る朔夜。


「いやなんか、今宵が可愛いすぎるっていうか。」


「はっ、ノロケ話かよ。」


はっって、嘲笑かよ。


「まぁ確かに可愛いもんな、高槻さん。」


何かお前に今宵が可愛いって言われると、すげぇムカつく。


でも、そこは敢えて黙っておこう。


「で、あれから何か進展あったのか?」


そう言って紙パックのコーヒーを飲みながら質問する朔夜。


「進展つぅか、抱き締めてキスしたくらい。」


「へぇ、お前案外積極的なのな。」


積極的つぅか、やり過ぎたつぅか。


「で、デートとかはしたの?」


は?デート?


「何で?」


「何でってそりゃ、付き合ったらデートぐらいするだろ。」


そっか、花音と付き合ってた時は、相手が忙し過ぎて、デートとかしてる暇無かったもんな。


「いっそ自分から誘ってみれば?高槻さん、喜ぶかもよ。」


そっか。後でちょっと言ってこよ。