『…千歳くん、また寝てる。』






『千歳は乃蒼と似てるよなー。』








林千歳。
慶都の幼馴染みらしく、
乃蒼と仲がいい。








『もう、千歳!また寝てるのー?』







『…乃蒼。おはよー。』








『ねえねえ、千歳。慶都くんって彼女いるの?』







『んー?いなかったと思うけど…、あ、でも好きな子はいるって聞いたような…』






『えー?誰だろう?蒼空ー?』








『さぁー、誰だろう。』








私と慶都は、その時教材を取りに行ってた。







『蒼空、お前ちゃんと食べてんの?』








『食べてるよ!慶都は…男子だからじゃん。』






『いや、乃蒼は大食いだけど蒼空あんま食べないじゃん。』







『うっさい。乃蒼は小さい頃からそうなの。』







『何怒ってんの?』






『怒ってないもん。』








そう言って、ぷいっと顔をそむける。
こんなことがしたいんじゃないのに、
乃蒼の名前が出てくると不機嫌に
なってしまう…。