「香山 未季・・・香山 未季・・・香山っ」

山田先生の声が頭に響く・・

目を開けると、薄くなった頭が… ここは2-Bの教室?

「ファッ」

時計は朝6:59をさしている

7:05には、家を出ないと遅刻になっちゃう時刻

私は今ベッドの上に寝ている。

ピンクのシーツが少ししわになっていて、ブルーのカーテンがさわさわ揺れていて、少し寒気がしてきた。

さすがに12月だけあってとっても寒い

今のは夢?

「いってきまーすっ」

1階から中1の同じ学校に通う妹の由季の声が聞こえてくる。

「ヤバイ。正夢になる」

急いでパジャマを脱ぎ捨て制服に手を通す。

こんな日に限ってネクタイがうまく結べないじゃん!

鞄とマフラーをひっつかんで階段を勢いよく降りると

「ひゃっ!」

いきなり飛び出してきた娘にお母さんは、洗濯物を思わず落としてしまっていた。

なんとか受かった中学も1年半以上たてばなんともない。

あれほどかわいいって騒いだ真っ赤なネクタイの制服もなんかゆがんでる気がする。

「遅刻する!いってきますっ!」

「みっちゃん!お弁当忘れてるよ!」

そんなお母さんの声を無視して全速力で白い息を吐きながら自転車をこぐ。

でも、運動神経が悪いのでどうも早く進まない。

「おーいっ。おっはよー。」

公園に差し掛かった時に不意に後ろから声をかけられた。

「ん?」

聞き覚えのある声なので後ろを振り返る。

しかしバランスを崩してしまって、倒れかけてしまった。

「きゃぁぁっ」