時計を見れば、チャイムなる10分前。 セーフ。 なんとか間に合った。 私は、肩を落として自分の席についた。 「美優、おはよう」 ふわっと甘い香りが漂えば、優しい声が聞こえた。 私は、声がした方を向く。 そして、笑った。 「日和ー。おはよ〜」 私と同様、笑う彼女。 近藤日和(こんどうひより)。 私の中学校からの親友。 日和のふわっとした笑顔を見れば、どんな疲れたことでも吹き飛んじゃうくらい。