「生徒会長、さん」
正真正銘。
我らが学校の、生徒会長さん。
ポツリ呟いた言葉を、彼は聞き逃さない。返事をするかわりに、ふわっと優しい笑みで私を見た。
「あ、その……。えっと……」
突然のことに、言葉が出てこない。
あたし。生徒会長さんに助けてもらってたんだ。しかも二回も。
これってかなり、やばい。
「す、すいませんでした!!!」
頭を下げて全力で謝る。
あたしのバカ。穴があったら入りたい、とはこのことか。
そのまま、深く一礼して踵を返すと。
「失礼します!」
勢いよくその場を立ち去った。
生徒会長さんとの会話は、これが最初だった。
