思いのしないことに、胸がドキッと高鳴る。 「あ、あの……」 「どうしたの?」 顔色一つ変えず、優しく聞いてくれる彼。 本当、優しい人。 「二回もご迷惑かけて、すみませんでした」 ペコッと頭を下げて、謝る。 チラッと彼の顔を見れば。パチクリ。 大きな目を見開いて、笑っていた。 「迷惑なんかかけられてないよー。律儀なんだね」 ケタケタ笑う彼に、下げていた頭を上げる。