ドンッ 何かにぶつかる音がするかと思えば、そのまま後ろに倒れてしまった。 ほんと。 今日、つくづくついてない。 私はおもいっきり打ったとこをさすりながら、立ち上がろうとした。 だけど。 「ごめんなさい。大丈夫ですか?」 先に聞こえた声に、思わずえっと声をもらす。 おっとりするような優しげな声。 聞き覚えのある声。 少しの期待を持ちながら、顔をあげれば。 「あっ……!」 予想的中。 そんな彼も私に気づいて、にこやかに笑った。