「あのー。美優さー」 「うるさいなー!今日は、たまたまなんだから!!」 私は、ガタッと勢いよく立ち上がって隣に座るやつを見た。 ーいや、睨んだ。 「日和との時間を邪魔しないでよ!」 「まあまあ。怒らない、怒らない」 そう言って、笑顔でなだめるやつ。 神田祐希(かんだゆうき)。 私の隣の席。とにかく、うるさい。 毎日毎日、喧嘩売ってくるような男だ。 「ほらー。日和も困ってるよー」 「誰のせいよ」 そう言って、私は日和の方を見た。