「ごめんなさい...。大丈夫ですか?」

声をかけるとニコリとする彼。

「うん、大丈夫ですよ」

よかったぁー。

怪我させたら大変だもんね!

「ほんとにごめんなさい。私達急いでて...。それじゃ!」

私は立ち上がろうと足に力を入れた。

ズキンッ!

「いっ....」

先に歩き出していた恵実が心配そうな顔を向ける。

「なにやってんの?」

「ごめ、足やっちゃったっぽい...」

「はぁー?!どうすんのよ」

え、そこは立ち上がらせてくれよ。恵実さん。

そう言おうとした時。

「あの、僕連れてきますよ」

えっ?

「いやいやいや!!それは申し訳ない!」

「いいですよ、どうせ下いきますから」

「下...?」

「もしかして君一年生?」

恵実さん、それは流石にないよ。

「はい、そうですよ」

えっ!?

「ほんとに?!」

「はい、ついでに言えば隣のこいつもそうですよ」

彼が指さす先の男子が軽く頭を下げる。

つられて頭を下げる私。

「僕は千谷優(ちたにゆう)。こいつは紅木佑亮(あかぎゆうすけ)です」

改めて思うけど、二人ともかっこいい。

「私は倉島鈴鹿。こっちは友達の平林恵実」

またまたつられて自己紹介をする。

「座ったままもなんですから、保健室行きますか」

「あ、そうだね。行こう」

足の怪我も忘れて力を入れた瞬間。

「いったぁ!!!」

「何やってんのよ、鈴鹿」

間髪入れずに恵実からの突っ込み。

もうほんとに何やってんだよ、私。

「手、貸してください。僕が連れてきますから」

「あ...ありがと」

「あ、ごめん鈴鹿。時間。私生徒会の方行かなきゃいけない」

まじで...?

私この人達と保健室いくの...?

嫌な予感しかしないんだけど。

「じゃあ優くん、鈴鹿よろしく。手出したらどうなるかわかってるよね」

「はい。佑亮、恵実さんを送ってってあげて」

「りょーかい。恵実さん行きましょーか」

どこへいくのだろうか...。

果てしなく想像が広がるよ...。

「じゃあ行くか、''鈴鹿''」

「うん行く...?」

今鈴鹿って呼ばれた...?

「どうした?なんか俺の顔についてるか?」