「優美早くしろ!! 遅刻するだろ!!」
玄関から叫ぶ少し低めの声。
「ま、待ってよ! 光!」
寝癖のついたミディアムヘアを
必死になおしながら叫ぶあたし。
玄関から飛び出したあたしを見て、
「お前って本当にとろくさ(笑)」
あたしのことをバカにして
太陽のような笑顔で
ニカッと笑ったのは、
桐﨑 光《きりさき ひかる》
小さい頃からの幼馴染み。
小学生のときは
あたしの方が身長が高かったのに
今では同じ目線くらい。
オシャレに目覚めたのか、
高校生になって
暗めのブラウン色に髪を染めた。
これがあたしの大好きな人。