あと、もう少しだけ

あーあ、言ってしまった……



でも、やっぱり俺アイツの事が…



なんて思いながら、ポケットから自転車の鍵を取り出した。



一輝には待たせるのはアレだから先に帰ってもらった。



エナメルをカゴに放り込んで鍵を開けた後、自転車にまたがって漕ぎ始めた。



6月の最初の風はまだ涼しくて。



立ち漕ぎをすると体操服がふわりと揺れた。



何分か漕いでいると急な坂に差し掛かったので、自転車から降りてハンドルを押した。



明日になったら男子も女子も関係なく、好きな奴は誰だとか聞かれそう。



まぁあいつが、他の奴にバラしてなかったらいい話だけど



どうせ今頃ラインとかであの後輩が拡散してるだろうな。



まぁ俺の好きな奴が、同じクラスの………



「洸!」



俺の名前を呼ぶ声に、一瞬ドキッとしてしまったのは気のせい?



振り向くとそこには



「あ、伍姫!」



足を止めて伍姫に手を振ると、あいつも手を振り返した。



大丈夫だよ…な?まだ、気付かれてないよな?




俺が伍姫のこと、気になってること。