あと、もう少しだけ

ふふっと笑う伍姫。



俺もふっと優しく笑った。



「お前、日本語喋れるようになったんだ」



「…あの時は喉の調子が悪かったからね。言ってないよね?」



「うん、言ってないよ」



よかったと笑う伍姫の顔は、なぜか悲しげに見えた。



「今日疲れただろ?転校生が来るなんて珍しいから、みんなテンション上がっちゃってさ」



「うん、正直困ったけど月歌ちゃんがいてくれたから、大丈夫だったよ」



なんだろう。



伍姫と喋っていると、自分が特別な存在に思えてしまう。



誰も邪魔しに来ない、二人だけの空間。



「いつもここ散歩してるのか?」



「うん、この時間は空が綺麗なんだ」