青い空

清々しい風

そして、美しい王子様


清々しい風が私を駆け抜ける。
それとともに美しい声が私の耳に入った。

「君は美しい。
 僕は、どうやら君の美しさに負けてし  まったみたいだ。」

王子様。王子様が私のこと…

「私もあなたがす、す…………




「りなー。 

りーーーなぁーーーっ」




「ひゃっ、ひゃいっ!?」

え、ゆめ!? 
私の私の王子様は!?

「なにその変な返事……」



「だって、だって王子様がっ!」 

「王子様!?」

「わたしの王子様がぁぁぁぁぁぁぁ」

私のことを呼んだこの子は、


佐原夢花(さはらゆめか)

同じく合唱部。
パートは、ちなみにソプラノ。

声が高く可愛らしいのだが、
そのせいでぶりっこだとキラキラ系女子に目をつけられている。

私と同じ平和系女子。


もー、
私の王子様がぁぁぁぁぁぁぁ


「もーっ。おこっちゃってー
 こころが狭いぞっ」




ムムムッ