海の家とかによく吊り下がってて、いつも見るたび私が欲しくなっちゃうやつ。

好みドンピシャ。

それを、自分の手で作ったなんて。

要ってすごい。


って。



「友達ってそれ、女の子もいたの?」

「なんで?」

「だってこんなかわいいモビール作れるなんて女の子っぽい!」

「あー、まぁね。高校のやつら数人」



そっかそっか。高校の友達か。いいなあ。海。一緒にモビール作りって。

なつかしいなあ。いいなあ。

友達、女の子も一緒、かあ。



「……ン?なんでモヤモヤ?」



胸のあたりがモヤっと。


謎の症状に首をかしげながらモビールを眺めていた私に、要は見上げながら声をかけてきた。



「百、ラムネ」

「ん?」

「飲む?」



横にあった瓶をぐいっとこちらに向けながら。

そういえば起きてから何も飲んでない私はこくり頷いてそれを受け取って、ひとくち。


五郎の視線が気になる。

……あ、そっか、だってこれ、間接



「本当は百の分も、って2本持ってきたんだけど両方俺が飲んでる」

「えぇぇ?ちょっと、私の水分」

「あはは」