カワイイづくし

『はぁぁ〜。散々だった。』







『…あんた、日代のこと大っきらいよね。』







『…だって、可愛くないし。』







『黒川って子は可愛いの?』






『うん。なんか直感なんだけどものすごい可愛いの。』







言葉では説明できない、そんな感じの感覚。








『じゃあ、満。また明日ね!』







『うん。またね。』







私は自分ちに向かって歩き出した。


…ん?
後ろ誰か走ってきてる…?


もしかして…日代じゃないよね…?







堪らず怖くて走り出した私。
後ろの人はもっと早く走ってくる。







『…や、やだ…。』







『…先輩!麻友先輩!』







『…へ?』








その声に恐る恐る振り向くと、
七瀬くんが立っていた。







『…七瀬くん。』







『大丈夫っすか?怯えよう半端なかったっすよ。あ、これさっき靴箱に落としてってたんで。』







そう言って私のバッグについていた、クマを渡してくれた。







『ありがと…。』







『…大丈夫っすか?俺んちもここら辺なんすよ。送りますよ。』







『へ!いいよいいよ!悪いよ…。』







『いえ、なんか心配なんで。』








そう言えばあの場所にこのクマが落ちてたなら、あの場には日代もいたはず。

なんで七瀬くんが…。








『…日代は?』







『あー、ほんとは先輩が持ってくって言ってたんすけど、なんか麻友先輩の反応見てたら心配で。俺が持ってくって言いました。』








『…そっか。』







『…迷惑でした?』







『う、ううん!ありがとう…。』








七瀬くんって、女の子に囲まれてて、
天狗になってる子なのかと思ってた。

だけど、普通の子で、
優しい子なんだ。



なんか、一緒にいて、
居心地いいな。