そう約束した私の卒業式。


約束通り裕翔さんは図書室にいた。



「紗凪、俺のこと好き?」



「好きだよ。嫌いになるわけないじゃん」



その言葉を聞いて安心したように裕翔さんが言った。


「紗凪、手出して?」



それは、鍵だった。


「それ、俺が住んでいるアパートの鍵。一緒に住んでくれますか?」



「…はい」




そのアパートには、結婚してからも2年住んだ。