チャラ男くんの忠実なる犬

空き教室に移動した。


「何があった？」


「先輩に、欄に近づくなって言われたんだ。」


「先輩？それって風間欄の女ってこと？」


「多分…。それで叩かれた。」


「何それ！完全に風間欄のせいじゃん！！何で言わなかったの！」


「わかるから。」


「え？」


「先輩はね、風間欄が好きなんだ。
私もだから。」


「華も好きなの？」


「気づいちゃったんだよね。私、欄が好きみたい。
だから、気持ちがわかるから。」


欄はきっと、好きな人を作らない。
今まで彼女がいた噂を聞いたことないし。
だから、叶わないのわかるから伝えられないんだ。



私が邪魔だって思う気持ちもわかる。


だから先輩も風間欄も
誰も悪くない。


「だから言えなかったんだね。」


「うん。」


「必死なんだよ。先輩は。」


「華は、優しいね。」


そんなことないよ。