何にも同様せずに。


美香先生は、まだ欄が好きなのかな。


勝ち目なんかないじゃん…


叶うはずないじゃん…


私は、その場から逃げた。



ふたりは何で別れたの?


欄も好きで、
美香先生も好きなら何で…



はあ…



何してんの…私。





「櫻井さん。」


「美香先生。」


誰もいない廊下。


美香先生が追いかけてきた。


「欄が好きなの?」


表情が読めない。


少しも笑った顔を崩さず彼女は聞いた。


「先生に関係あります?」


「こんなこと言うのもなんだけど。
私と欄はね、付き合ってたは昔。」


知ってるよ。


「でも別れたんでしょう?」


「そうね。嫌いになったわけじゃないけど。
あの時はそうせざるを得なかった。
でも、今は違うわ。
またやり直せたらって思うのよ。」


ツキンと胸が痛い。


「私に何で言うんですか?」


「んー櫻井さんになら言ってもいいかなって。
一応、私たち先生と生徒だし。あなたなら秘密を守ってくれる。」


「そんなの…わからないです。」


「守るわよ。
欄が好きなら。」



何なの…



この人…私に敵対心を持ってる。