向日葵色の恋【完】

「何やってんだバカ」



グイッと腕を引かれ、酸素が肺の中へ流れ込む。



「ごほっ…げほっ」



危うく溺れるところだった。



いや、死ぬとこだった…



ふう、と深呼吸をして落ち着かせる。



落ち着いた息を整わせ、腕を掴んでくれた人を振り返り



「さっきはありが……、とう…」



礼を言ったはいいが、助けてくれた人はまさかの



「て、輝…」



芽依ちゃんと一緒なはずの輝だった。



「この歳になってまだ溺れるんだ?」



半笑いで輝が言う。



むっとした私は、ぷいっと顔を逸らした。



胸がうるさかった。



溺れて焦ったからではない。