向日葵色の恋【完】

遠くを見ると、日焼けを気にした女子たちが、日焼け止めを塗りまくっていたり
パラソルの下でサングラスをかけたりで色々だった。



(なんのためにプール来てるんだか…)



と多少呆れる私だが、プールで早く遊びたい子供心と、日焼け止めを塗るめんどくささに勝てないだけだ。



「日焼けしちゃうな〜私」



「先輩はいいんすか?」



「私は遊びたいからね〜」



へへっと笑いかけると、伊澄くんは空を仰いだかと思えばいきなり頭まで潜ってしまった。



「え、い、伊澄くん!?」



ぶはっと伊澄くんは水の中から顔を出すと、髪をかきあげてはにかんだ。



「先輩はほんとに…」



「な、なに?」



「オレほんと先輩のこと…」



伊澄くんが何か言いかけたときだ。



周りがザワザワと騒がしくなり、水の流れが心なしか変わっていくような気がした。