向日葵色の恋【完】

「もう少し静かに入れないんすか大人気ない」



やれやれと伊澄くんが同じく中へ入る。



「文句しか言わないんだから」



ぽつりと呟いた声を、伊澄くんは聞き逃さなかった。



「はい?」



ニッコリと口角をあげたその顔を直視できない。



(わたしのが先輩なのに…!)



このオーラの違いはなんなんだ。



「ほら流れに身を任せよーよ伊澄くん」



カエルのようにすいすいと泳ぐ私を見て、伊澄くんが吹き出した。



「せ、先輩…ほんとに色気もクソも胸もないんすね…っ」



「ぶん殴るぞおい」



ケラケラ笑う伊澄くんを睨み、水に肩までつける。