向日葵色の恋【完】

走ってきた輝は、なにも知らないような顔をして顔の前で手を合わせた。



「悪い寝坊した!」



(寝坊か〜〜〜い)



芽衣ちゃん以外の頭には、きっとそんなツッコミが響いたことであろう。



ちょうどよくバスもきて、部員全員と先生を乗せて、プールへと出発した。



ガタガタとバスが揺れる。



と、隣から飴が差し出された。



「先輩食べます?」



「うんありがたいけど何で伊澄くん隣にいるのかまずそこからだね?」



「食べないならオレ食べちゃいますね〜」



「人の話し聞こうね〜」



そう。何故か隣が千陽ちゃんから伊澄くんに変わっているのだ。



バッと振り返って千陽ちゃんを見ると、千陽ちゃんは他の子と楽しそうにお喋りをしている。



(いやおかしいおかしい!)



1人でツッコミを入れるも、そんな心のツッコミを聞いてくれる人はいないのである。