赤い空が広がる夏の夕暮れ。



校庭からは野球部やサッカー部の熱い声がこだましている。



「雫輝?部活いかねーの?」



「いくいく!ちょっとまって!」



ジャージになった輝が教室の扉の方で私を見てる。



私もバッシュを持ってそそくさと教室をでた。



私と輝はバスケ部に所属していて、2週間後には大切な大会を控えている。



今日も21時ごろまで練習は続くだろうが、それを苦に感じたことはなかった。



「あ、先輩!」



体育館につくと、2年生はほとんど練習を始めていて



私たちに気づいた後輩が次々とあいさつをしてくる。




「あれ?1年生は?」



「今日学年指導らしくて遅れるみたいっすよ」



私の質問に伊澄くんが答える。
私はそっか、と頷いて見せた。