でもこれはもう、隠し切れない想いだと認めることにした。



私はきっと、輝を幼馴染としてではなく、1人の男の人として見ている。



だけど輝には、私よりずっとずっと大切な人が既にいる。



だからこんな想い、もっと大きくなる前に消してしまおう。



バシッと頬を叩き、自分にかつを入れて背筋を伸ばす。



ふわっと、真夏の生暖かい風が窓から流れ込み、髪を揺らす。



蛙の鳴き声が、やけに大きく聞こえた。



「雫輝ー!ご飯だぞ〜」



1階からお父さんの声が聞こえて、夕飯を食べに行く。



食べ終わる頃には、心の中のモヤモヤなんて消えていた。