朝、目を覚ますと、いつもと違ったように全てが見えた。



もちろん何も変わらない朝だ。



いつも通りの朝だ。



だけど私には、色も匂いも雰囲気も。



全てが明るく見えるんだ。



昨日、輝が会いに来てくれたことが夢だったのではないかと思ってしまう。



彼女がいても、他の女の子を抱きしめるのは普通のこと?



彼女がいても、他の女の子のために来てくれるのは普通のこと?



『雫輝って異性と2人きりになることに、何も感じてないの?』



いつか美涼が言ってた言葉と、同じことなのだろう。



美涼の言いたかったことを、今更になって理解する。



輝には芽依ちゃんがいる。



私の側ではなく、芽依ちゃんの側にいたほうが、幸せなのは当たり前だ。